メカニカル部品
- 一般的な軸受は潤滑油を必要とし、定期的に給油が必要になる。しかし無給油ブッシュは、自己潤滑性がある材質を使うことで、無給油で使用できる。その潤滑の仕組みは、潤滑油を含浸させた素材を使い、摩擦熱によって温められた潤滑油が溶け出して潤滑をするのが一般的である。 無給油ブッシュで使われる材質は、「金属」「複層」「樹脂」に分けられている。「金属」はその名の通り金属だけでできているもの。「樹脂」は、樹脂だけでできているものである。「複層」は、1種類の材質ではなく、いくつかの材質の良いところだけを取るような構造でできている。材質によって異なる特徴と潤滑の仕組みについて、表1にまとめる。 表1.材質別の特徴と潤滑の仕組み
- 無給油ブッシュの材質には金属と樹脂の2種類がある。今回は、樹脂製の無給油ブッシュについて、その特徴やメリット・デメリットについて紹介する。 樹脂タイプの無給油ブッシュとは 樹脂タイプの無給油ブッシュのメリット・デメリット 樹脂材と焼結材の違い 樹脂タイプの無給油ブッシュとは 無給油ブッシュに使用される樹脂は、さまざまなものがある。代表的な樹脂とその特徴を表1にまとめる。 表1.代表的な樹脂とその特徴
- 複層の滑り軸受は、裏金に層状に数層の材料を重ねて使用する構造である。図1は、 F.P.BOWDENが示したものである。 図1.摩擦によるせん断力と材質
- 無給油ブッシュを組み立てる際、ハウジングに固定して使用する。固定方法は主に2種類ある。 表1.無給油ブッシュ 固定方法
- 無給油ブッシュにモーメント荷重をかけて使用してはならない。無給油ブッシュに加える荷重は軸受け面に対し並進力のみである。無給油ブッシュにモーメント荷重をかけた場合、無給油ブッシュと軸と接触する端部に過大な力が加わることになる。この部分が接触状態となり接触面積が極端に小さくなった結果、モーメント荷重が加わり、発生する応力が許容の値を超えてかじり現象が発生、焼き付きが起きることになる。この一連のメカニズムは定性的には説明できるが、定量的に示すことは難しい。 図1は無給油ブッシュのモーメント力が加わった図を示している。 図1.無給油ブッシュとモーメント力の力学
- 真空環境で使用するボールベアリングについて説明する。真空中で使用する場合のポイントは真空内で使用できる潤滑を実施したうえで、ボールベアリングの動等価荷重の3%以内としなければ、その装置寿命を保証することはできない。
- ボールベアリングのトラブル事例(遠心力によるボールベアリングの破損)を説明する。 図1に示すCCC(Counter Current Chromatography:向流クロマトグラフィー)装置は溶液中に溶け込んだ微量の物質を遠心力により濃縮する機能を持つ。 図1.CCC装置の構造図
- ボールベアリングと軸 とハウジングを組み立てる方法である、圧入作業について具体的な作業を含めて、推奨方法、実施してはならない方法と共に説明する。ボールベアリングを組み立てる際、はめあい公差の内輪と回転軸、外輪とハウジングは、すきまばめとしまりばめのいずれかの公差を使用する。しまりばめは、圧入による組み立てとなり、図1に外輪とハウジングの組み立て、図2に内輪と軸の組み立て方法を示している。両組み立て共にプレスによる、押し治具を用いて組立てている。この組み立て時、転動体に圧入の力を加えてはならない。転動体に力を加える組み立て方は、外輪をハウジングに圧入する場合、図3に示す様に内輪を押し込む作業に相当し、内輪を圧入する場合、外輪に力を加える場合を云う。
- ボールベアリングのトラブル事例(スピンドルべアリング固定ねじの緩み)を説明する。 図1にボールベアリングで支持された回転軸を、軸端に取り付けたタイミングベルトで駆動する回転スピンドルを示す。 図1.トラブルが発生した回転スピンドル構造
- ベアリングは用途に応じて予圧する必要がある。予圧の目的を解説すると共に、予圧方法まで解説する。 ベアリングを予圧する目的 ベアリングの予圧の方法 ベアリングを予圧する目的 ベアリングは適当な内部すきまを持って使用される。また用途によっては取り付け時にあらかじめラジアル荷重などを加えて用いる場合がある。このような使い方を予圧とよび、アンギュラ玉軸受などに適用されることが多い。 その使用事例を図1に表す。 図1.使用事例