力学
- ここでは機械の可動部が持つエネルギー(運動エネルギー)について解説します。 (1)運動エネルギー 運動する物体が持っているエネルギーを運動エネルギーEk(Kinetic energy)といいます。 運動エネルギ-の単位は{J:ジュール}で現します。 1J(ジュール)とは、1N(ニュートン)の力を物体に働いて1mの距離を移動したときの仕事に当たります。 質量m(Kg)の物体が、速度
- ここでは運動の第三法則:作用反作用の法則について解説します。 (1)運動の法則 3)運動の第三法則・・作用反作用の法則といわれます。 ・「物体Aが物体Bに力を働かせたときは、同時に物体Bも物体Aに力を働かせた状態であり、両者の力の大きさは等しく方向が反対である。」 ・船から別の船を押すと、同じ力で両方の船は反対方向に離れます。 ・作用反作用の法則は当たり前のためピンと来ない法則で
- ここでは運動の第二法則について解説します。この法則で、加速度と質量が設計条件の場合の必要な可動力を算出することができます。
- 運動する物体(可動体)には力が作用します。この可動体に作用する力は機械装置の設計には常識レベルに必要とされる知識です。特に慣性の法則は、高速駆動機構の設計では重要です。 (1)運動の法則 1)運動の第一法則・・・慣性の法則といわれます。 「物体に外から力が働かない限りその運動は変化なく変わらない。」 運動している物体(可動体)は、外力が働かなければ、動いている状態の場合は等速運動を
- 可動部の運動状態を知るための運動の基礎について解説します。 (1)運動の基礎 ・運動とは・・物体が時間と共に位置をかえること ・変位とは・・物体の位置の変化;(大きさと向きを持つので合成や分解が可能) ・速度とは・・時間に対する変位の割合;(大きさと向きを持つので合成や分解が可能) 単位=m/s ・等速度運動とは・・速度が一定の運動。 V(速度)=S(移動距離)÷t(時間)で表現できる。
- 基本的な幾何形状の重心位置は計算式で出すことができます。 (1)線形状 1)直線 2)円弧
- 機械装置の構造設計の場合、全体の重心に対する支持脚(キャスター)の配置設計や可動体の低重心化設計など、重心の位置を考慮する必要があります。この重心について解説します。 (1)重心とは ・物体には、その物体がどのような姿勢状態にあってもかならずつりあいを保つ点があります。即ち、この点で物体を支えると、どのような姿勢状態でもその物体は安定して静止状態を保つことができます。このような点を重心(ま
- 物体に対して異なる作用点に力が働く場合の力のつりあいについて解説します。 (1)異なる作用点に力が働く場合の力のつりあい ・下図のように円盤に4つの力が異なる作用点に働いた場合、この円盤は反時計方向に回転運動するとわかります。したがって、この力の作用状態は力はつりあい状態にはありません。 ・下図のように上図と同じ作用点に違う方向の力が働くと、円盤は回転せずに静止状態となります。したが
- 1点に働く力のつりあい 力のつりあいと機械装置の事例 物体に2つ以上の力が働いていても運動しない状態にある場合、これらの力はつりあいの状態にあるといいます。 1点に働く力のつりあい ・綱引きの場合に1本の縄を反対方向に同じ力で引っ張りあった状態では、綱の位置は動きません。この状態が力のつりあい状態です(下図)。 ・同一線上での綱引きでなくても、合力が反対方向で同じ大きさの力
- 力の作用点から離れた位置に力を与えた場合、力を受ける物体は回転の力を受けます。この場合の力の作用について解説します。
- ベアリングにかかる荷重がベアリングガイドの壁面にどのような力で作用するかなどの解析の場合に、力の分解の考え方が役に立ちます。力の分解について解説します。 (1)力の分解とは 1つの力を、この力と同じ作用を持つ2つ以上の力に分けて現すことを力の分解といいます。 1つの力を分けた力のことを分力といいます。
- b)3つ以上の力の合力 ・球の中心の1点に対して、同じ平面上に働く多くの力の合成について解説します。 ・上の図では、F1、F2、F3、F4の4つの異なる力(ベクトル)が球の中心Oに作用しています。 ・この場合の合力は4つのベクトルを多角形状に連結させた最終辺の矢印が合力となります。
- 全ての機械装置は、仕事をする機構部だけではなく、構造体の全てで力の伝達と耐久の作用が生じています。ここでは、力の伝達の考え方を“力の合成と分解”の関係で解説します。 (1)力の合成 一般には、機構部分に複数の力が働きます。この複数の力の効果は、1つの合成された力で表すことができます。この合成された力を合力といいます。 a) 作用線が同一線でなく交わる2つの力の合力 下の図のように、
- 自動機の設計には、力とその合力の作用やモーメント更には、運動に伴う速度や加速度の影響などを理解する必要があります。ここでは、機械工学と自動機設計について解説します。 (1)機械装置と力学 機械装置は次の構成で成り立っています。 この構成部分のうちで、後ろの2つは運動を伴わない静的な力学に関係が強い機構部といえます。力と合力や力の分解を理解することで、機構部の設計品質が向上できます