ミスミ「エコスプルーブシュ」は、射出成形機の射出ノズル先端径よりもスプルー入り口を細く設定できるため、スプルーが全体的にスレンダーになるため、スクラップの軽減、サイクルタイムの短縮に効果があります。
1.スプルー・ランナー部の樹脂材料削減
コールドランナー金型の場合、スプルーは樹脂をキャビティへ導くために必須の部分になりますが、充填・保圧が完了した後は、スクラップになりますので、材料歩留まりを考えた場合、スプルーはできるだけ細く軽いことが望ましいです。しかし、成形機の射出ノズル径よりもスプルーを細くデザインしてしまうとアンダーカットになり、連続成形をすることができません。そこで、エコスプルーブシュを使用しますと、成形機ノズルタッチ部は座ぐり加工してありますのでアンダーカットになることがありません。そして、所望の寸法にスプルーを一回り細くデザインできますので、スクラップの軽量化が可能となります。
2.サイクルタイムの短縮
コールドランナー金型の場合、サイクルタイムは、スプルーの冷却時間が支配します。すでにキャビティの冷却固化が終了しているにもかかわらず、太いスプルーは冷却が継続していて金型を開くことができません。無理に金型を開いてしまうとまだ暖かく柔らかいスプルーがちぎれて金型内に残ってしまいます。スプルー径を細くすることによりサイクルタイムは明らかに短くすることができます。サイクルタイムの短縮はつまり生産コストダウンにつながります。ショット数の多い金型であればあるほどたった1秒の短縮が大きなコストダウンにつながります。
3.糸引き発生の軽減
スプルー径が細くなると冷却固化が早くなり、糸引きが発生しにくくなる効果も得られます。
エコスプルーの樹脂ポケット(座ぐり)は、樹脂の種類によって選定をします。また、実際に使用する射出成形機のノズル先端形状、構造によっても選定を考えることが必要になる場合もあります。これまでの使用実績では、樹脂材料の価格が高い樹脂ほど経済的な効果が大きくなります。また、冷却固化に時間がかかる樹脂(PMMA、PP等)ではサイクルタイムの短縮効果が大きくなります。