ミスミ「スポット冷却パイプ」は、金型のキャビティやスライドコアを部分的にスポット冷却ができるように開発された商品です。
熱可塑性樹脂の射出成形では、金型のキャビティ表面温度を適切に維持することが精密成形や製品の表面光沢を実現するためには大変重要です。しかし、狭い部分やエジェクタピンなどが入り組んでいる部分の冷却は困難で多くの場合、冷却構造を設けないで金型を製作してしまうケースがあります。そうすると、キャビティの表面温度はショットごとに徐々に上昇し、成形品の寸法が小さくなったり、変形を生じる、バリが出てくる、表面光沢が変化してくる、ひけが目立つようになる、離型不良が起きやすくなる、冷却時間を長くしないと連続成形できない等の不具合が発生する危険性が高まります。
ミスミではこのような不具合を回避するために「スポット冷却パイプ」を開発しました。
この商品の特徴は以下の通りです。
- 簡単な機械加工で局部的な冷却ができます。
- 横からの冷却水穴の機械加工をせず、局部的な冷却ができます。
- 冷却用ジョイント(JTW等)を併用する事で取付板から冷却パイプの機構を持たせる事ができます。
- 部分的な厚肉部の冷却が困難な場合に、横方向から局部的な冷却ができます。
- スライドコアの冷却に用いると、熱膨張を防止しカジリを防ぎ、かつ冷却サイクルも短縮させることができます。
- パイプは取り外し可能です。必要に応じて切断してご使用できます。
- パイプの材質は選択が可能です。
SWCP11 パイプSUS304
SWCP12 パイプ 黄銅
SWCT11 パイプ 黄銅 - 180℃以下の水・油でご使用下さい。
- 常圧980kPa(10kgf/cm2)以下でご使用下さい。
冷却が困難な場所になんとか工夫をして冷却回路を設けることで、成形サイクルは確実に短くなり、また成形条件も安定します。オリジナル設計製作で冷却回路を設けると金型コストが高くなってしまいますが、本商品をご利用いただくことで標準部品をお手頃な価格で短納期で調達が可能です。