ミスミ「ボス用コアピン−ガス逃げ穴付きタイプ」は、成形品にボス形状を作りたい場合に最適なコアピンです。
プラスチック成形品には、位置決めの目的や他のプラスチック部品と熱かしめ融着をするために、ボス形状を設けることがあります。OA機器のハウジングや家電製品の筐体などでは必須の形状になります。
ボス形状は、相手方の穴形状へ挿入しやすくするために先端部へC面取りを施したり、根元部の応力集中を回避するための補強C面取りを設ける事例が多いです。
本製品ではこのような需要にお応えするために、任意のC面取りに対応できる選択ができるようにラインナップされています。
また、ボスの軸径寸法公差は、マイナス0.01タイプとマイナス0.02タイプが選択できますので、相手方の穴への挿入と位置決めが容易にできるような工夫がされています。
さらに、最大の特徴は、このコアピンの内部には、ガス逃げをさせるためのコアピンやエジェクタピンを挿入できるような穴形状が加工されている点です。
ボス先端部は、溶けたプラスチックが流入した際に、先端部分には必ずガスやエアーが溜まる宿命にあります。したがいまして、ガス焼けやショートショット、寸法不安定が発生しやすい部分になります。
このような不具合を発生防止し、安定した成形加工が実現できるようにするためには、ガスやエアーを強制的に排出できるような構造が必要です。本製品ではこの構造を採用しておりますので、ほぼ100%このような不良を回避することが可能です。
コアやキャビティに直接ボス形状を機械加工して、ガス逃げ穴加工をすることで上記の対応は当然可能ですが、本製品をご採用頂ければ、標準化された部品をコアピンの要領でインサートして取り付けていただくだけで、低コストで簡単に最適なボス形状を得ることができます。
材質は、SKH51で硬度は、58〜60HRCと硬い材質を採用しております。
本製品をご採用頂ければ、プラスチック成形加工で充填に必要な圧力を低減させることにも寄与しますので、成形品への残留応力の残存可能性も低減させる方向に作用します。