切削工具
- Question コーナースミ部のRをきれいに仕上げたい ポケットのコーナースミ部に微小Rを付けた加工を行う際に、工具がビビッてしまいます。コーナースミ部のRをきれいに仕上げるにはどうしたらいいでしょうか? Answer 刃径サイズの選定がポイントになります コーナースミ部のRを加工する際には、同サイズのスクエアエンドミルを使用すると、切れ刃の接触長が増大し、ビビリ等が発生するため、Rサイズの70~80%の刃径のスクエアエンドミルを選定することをお勧めします。 (例)コーナースミ部をR1に仕上げたい場合 スミRと同じ2φの刃径サイズの場合 切れ刃の接触長が増大し、ビビリ等が発生するため、仕上げ面粗度、工具寿命に悪影響を及ぼす。
- Question エンドミル加工でのアップカットとダウンカットの違いはなんですか? また、どのように使い分けるのですか? Answer アップカットとは エンドミルの回転方向とテーブルの送り方向が、ほぼ相対して切り進む加工方向のことです。 切削量は最小から最大に切り進むので、刃が被削材に喰い込むまで滑る傾向です。 なので、擦り摩耗の進行が早く、加工硬化するステンレス鋼などはより顕著になります。 仕上面は良好で、テーブル送りのバックラッシュは影響しません。
- Question 深彫り加工時のビビリを抑制するには? 金型の深彫り加工時にビビリが発生して、エンドミルが折損したり、加工面がきれいに仕上がらなかったりして困っています。ビビリ抑制のために何か良い方法はありませんか? Answer ビビリ発生の原因 エンドミル切削時のビビリは、工具の剛性以上に過度の負荷がかかることで発生します。ワークとの干渉を避けるために突き出し量が比較的に長くなる深彫り加工は、工具剛性を確保することが難しく、ビビリが発生しやすい切削です。 工具にかかる負荷を低減 工具にかかる負荷を低減するために、切り込み量を小さくすること、切削速度を上げて刃先の切削特性を向上させることが有効です。特に、切削速度が上がりにくく刃先の性能が発揮されにくい小径のエンドミルの場合、回転数不足が負荷を増大させる原因になることがあります。
- Question スクエアエンドミルのピンカド、アタリ付の違いは? スクエアエンドミルには、ピンカド、アタリ付の2種類がカタログに記載されていますが、何が違うのですか? また、どのように使い分ければ良いのですか? Answer ピンカド、アタリ付の違い ピンカドは刃先先端まで刃を付けており切削能力が高くなっております。アタリ付は、刃先先端部の厚みを残しています。この効果によりアタリ付は、ピンカドと比較して刃先強度が強くなります。お客様の使用条件に合わせて2種類の刃先からお選びいただきご使用ください。
- Question エンドミルのすくい角ネガティブ形状・ポジティブ形状の違いは? エンドミルのすくい角にポジ形状・ネガ形状と記載されているものがありますが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか? また、加工するにあたりどのように使い分けるのがよいですか? Answer 加工用途により、適材適所な対応が必要 刃先への切削抵抗が少ないポジティブ形状が一般的ですが、高硬度鋼加工などには、刃先強度が必要なため、ネガティブ形状のすくい角のエンドミルを選択される事をおすすめします。
- Question キー溝を効率良く、高精度に加工したい キー溝を加工する際に、溝の幅が均一に仕上がらず、困っています。溝の幅が均一でな いと、キーがうまく入りません。 キー溝加工を高精度に加工するためのポイントはありますか? Answer エンドミルによる切削方式 工具の切れ刃部の切削抵抗を小さくするために、切り込み量を少なくすることと、刃先負担が一定になる工具軌跡にすることが、キー溝の加工には最適と言えます。 それにより、高速回転・高送りの条件で安定した加工が可能となります。 また、切削抵抗と熱影響を低く抑えられるため、工具の性能が安定し長寿命となります。
- 切削加工を行っているユーザーを対象に、製造現場における課題についてのアンケート調査(第1回)を実施した。 調査結果サマリ 現場担当者の多くは、加工の基礎知識はあるが、業務効率化に活かせていないと感じている。 知識不足については、表面粗さやJISの知識、バリ取りに関する知識の不足が挙げられた。 設計担当者は、公差設計、はめあい設計に関する知識不足や部品選定の妥当性が不安とのコメントがあった。 現場担当者の課題―加工の基礎知識を業務効率化に十分活かせていない。表面粗さやJISの知識、バリ取りに関する知識の不足も挙がった。 1.現場担当者(経験年数3年以上)に対し、機械加工の基礎(図1)、フライス加工(図2)、穴あけ加工(図3)、バリ取り(図4)に関する課題について質問した。結果、特に『穴あけ加工について知識はあるが業務効率化に活かせていない』、『バリ対策の知識不足』という課題が多かった。それぞれの回答は以下(図1~図4)の通り。タグ:切削工具,
- 一般的に難削材といわれるステンレス鋼。ここではステンレス鋼切削時の「加工硬化」の注意点と工具による防止事例を紹介する。 ステンレス鋼切削時の「加工硬化」に要注意!後工程の工具寿命に悪影響を及ぼす 解決事例―切れ味重視の刃先形状の工具で、加工硬化を防ぐ ステンレス鋼切削時の「加工硬化」に要注意!後工程の工具寿命に悪影響を及ぼす ステンレス鋼は一般的に難削材と言われている。(ステンレス鋼の特性についてはこちら) 表1 ステンレス鋼切削時に発生しやすいトラブルタグ:
- Question 超硬ラジアスエンドミルを再研磨に出す時の最適な摩耗状況を教えてほしい 社内規定で一定加工時間にて再研磨に出しているが、個人的にはまだ使える気がしている。 R部の摩耗や欠けが大きいと想定より研磨代が高かったり、研磨不可などが発生している。 再研磨に出す最適な摩耗状況がわかる基準があれば知りたい。 Answer 超硬ラジアスエンドミルの再研磨に出す最適な摩耗状況 超硬ラジアスエンドミルを再研磨して利用するには、摩耗幅が0.4~0.8mmのうちに再研磨するのが最適です。 摩耗状況により対応方針が変わりますので、下記の状態ごとの説明をご参考ください。
- 底面がフラットな穴加工は、底面の平坦度が得にくいなどの品質維持はもちろん、複数工具を使うことによる工具交換などで段取り時間も増え、コスト高になりがちな悩みの多い加工だと言われる。ここでは、品質安定化と加工コスト削減を両立できた事例を紹介する。タグ:
- Question ドリル加工のステップ量を教えて ドリル加工でステップ量を設定しようとしているのですが、明確に記載している資料がありません。 どの程度の値で入れればよいでしょうか? Answer 目安値を基準にステップ量を設定していきます すべてに当てはまる定性的なステップ量というのは無く、目安値を基準に作業効率とトラブル回避のバランスで決めます。 ステップ加工のポイント ステップ送りは切りくずがからまない、もしくはつまらないようにするためですが、それは被削材の種類、切削条件、刃形状、切削油で変わるので、すべてに当てはまる定性的なステップ量というのは無く、あくまで目安となります。 例えば鋳鉄、真鍮などは、キリコが細かく分断されますので、ステップ送りは不要です。 また、アルミなどはキリコがつながりやすく、振り回すと加工物が傷だらけになるばかりか、事故の原因にもなります。 加工硬化しやすいSUSなどは、ステップを入れすぎるとドリルの刃の摩耗を促進してしまうので、摩耗とキリコ詰まりによる折損防止のバランスは、難しいところではあります。タグ:
- タップ加工時の3大課題は、①折損・欠け②ねじ精度の不良③むしれ・かじりなどである。実は、これらの課題に共通する主な原因は、切りくず処理である。ここでは、切りくず排出性の高いタップを使用することで、切りくずが原因のトラブルを防止し、加工コスト削減効果と加工の安定による安心感の確保を実現することができた事例を紹介する。 タップ加工のトラブルの原因は「切りくず」!防止のコツは切りくず排出性向上にあり 解決事例―切りくず排出性の高いタップで、加工コストの削減、安心感の確保を実現 タップ加工のトラブルの原因は「切りくず」!防止のコツは切りくず排出性向上にあり タップ加工時の3大課題は、①折損・欠け②ねじ精度の不良③むしれ・かじりなどである。実は、これらの課題に共通する主な原因は、切りくず処理である。 図1 主なトラブル要因である「切りくず」の例タグ:
- 工具劣化や、精度が出ないなど、ドリル加工の「困った問題」について、改善方法をご紹介いたします。
- タップとは、金属の下穴にねじ跡(めねじ)をつけるための工具である。(ねじ切り加工(タッピングの種類とメカニズム、加工事例はこちら)タップ加工の課題について、トラブル項目毎に原因と対策をまとめて紹介する。 トラブル1. めねじが拡大する トラブル2. めねじが縮小する トラブル3. チッピング(小さな先端の刃欠け)が起きる トラブル4. 欠損する トラブル5. 急速な摩耗 トラブル6. 構成刃先が発生する(刃物に切削する材料が付着する) 表1 トラブルシューティングタグ:
- Question ツーリングを選定するとき、シャンクの規格がBT、BBT、NBT、WBTなど似たようものがあり、自分の工作機械に取付くかどうか選定に迷っています。 Answer 基本的には同じ規格の同じサイズから選定します。同じ規格でしたらメーカが異なっていても互換性があります。 また、異なる規格でも中には互換性があるものもありますので、違いを十分理解したうえでご選定下さい。 選定の参考になるよう、それぞれの規格の特長などをまとめて下記に掲載します。 BT規格 特長 主な使用加工機:マシニングセンタ テーパー:7/24、プルスタッドボルトを引込み機構で引き上げて固定 表1 BTシャンクの主な寸法タグ:
- 切削工具選定時に、「コーティング」の有無で悩むことがあるだろう。コーティングされた切削工具を適切に使用すれば、工具の長寿命化などの効果が見込める。ここでは切削工具のコーティングの基本的な効果と、選定のポイントを紹介する。 切削工具のコーティングって必要?期待できる4つの効果とは コーティング工具の選定は、加工内容、被削材との相性を考慮することが重要 切削工具のコーティングって必要?期待できる4つの効果とは 切削工具の母材に限らず、物質には「硬さ」と「じん性」の関係がある。「硬さ」と「じん性」は、反する性質であり、両方を兼ね備えた「1つの物質」はない。しかし、昨今の高能率な加工に必要な工具には「硬く、ねばい(欠けにくい)」性質が求められる。それを両立させるために、コーティングが開発されるようになった。つまり「じん性がある母材」に「硬さをもつコーティング」を施す方法で両立させようということだ。もちろんコーティング自体も、硬ければ硬いほど、もろく欠けやすいものになる。タグ:
- Question 内径用旋削ホルダとチップを選定したい 内径用旋削ホルダとチップの選定にあたり、選定方法と注意点を教えてほしい。 Answer 内径用旋削ホルダとチップの選定方法のコツ 旋削ホルダとチップを選定するとき、ホルダを先に選定する方が効率的です。 メーカ各社のカタログは、旋削ホルダに適合するチップを探すのは比較的容易ですが、チップに対応するホルダは、掲載が分散していて比較しづらいことがあります。 内径用旋削ホルダの選定 加工目的に適したそれぞれの条件を選定する。タグ:
- 工具劣化や、切屑処理など、旋削加工の「困った問題」について、改善方法をご紹介いたします。タグ:
- Question 超硬ドリルで高精度穴加工(穴径公差H7、穴位置精度0.01以内)したい。 ドリルで位置決め穴加工していますが、穴位置ずれや穴径公差の振れ、穴の曲がりなどの問題が発生し位置決めが中々決まらない。お勧めの方法があったら教えてほしい。タグ: