金型を含む機械、生産設備は、「故障」によってその機能を停止若しくは阻害される場合があります。
故障は、その発生するタイミングによって、3つの発生時期に分類されることが統計学的に知られています。
故障期には、以下の3つがあります。
I | II | III | |
---|---|---|---|
期名 | 初期故障期 (initial failure) |
偶発故障期 (random failure) |
摩耗故障期 (wear-out failure) |
主要原因 | 製造品質不良 | 設計品質不良 | 寿命 |
備考 | 発生時期の予測困難 | 摩擦期の推測は可能 予防保全による対策可能 |
I.初期故障期(initial failure)
金型等の部品の品質不良や基本設計ミスなどが原因となって発生する、故障が発生する時期です。 故障は、金型等の使用が開始して間もなく発生しますので、連続生産を開始することができなくなってしまいます。
II.偶発故障期(random failure)
金型等を連続生産に使用して、しばらく安定して作動できている最中に、何らかの原因によって故障が発生する時期です。
故障の原因は、設計の品質レベルが不十分なため、部品の一部に寿命が早く訪れたり、想定以上の応力が作用して部品が破壊したりすることが挙げられます。
この期の故障発生時期は、予測が困難であるため、偶発故障期と呼ばれています。
III.摩耗故障期(wear-out failure)
金型等を連続生産に使用して、想定されたショット数付近まで使用した時期に故障が発生する時期です。
故障の原因は、部品の摩耗が挙げられます。使用限界に到達する摩耗の時期は、サンプリングによって経験的に予測することが可能です。
したがいまして、予防保全(preventive maintenance)により摩耗故障の発生は回避することがある程度は可能といえます。
故障期と故障率の関係は、【図】に示しますように、時間軸に対して、風呂桶の断面形状に類似したカーブを描くため、故障率のバスタブ曲線と呼ばれています。