金型の温度をコントロールするためには、100℃以下の場合には、冷媒として水を使用することが一般的です。冷却水は、温度調節器の循環ポンプによって温度を制御された水が、金型内に備えられた冷却水穴の中を循環しながら、金型の温度を熱伝達や輻射によって温度を安定化させます。
冷却水の循環の様子は、通常は金型の外部からは見ることができません(金型が透明であったならば見ることはできますが・・・)。実際には冷却水の流れ方は流体力学的には、「層流」と「乱流」という2通りのパターンが存在します。
金型の温度制御を効率的に行うためには、冷却水の状態は「乱流」であることが望ましい状態です。 「乱流」となる状態は、流体の動粘性係数、穴の直径、流速によって決まる「レイノルズ数」という指標によって概略想定が可能になります。
水に限定して考えるならば、冷却水を乱流にするためには、ある流速以上の速さで水を流してやることで実現ができます。
つまり、金型の冷却水穴の直径が決まれば、乱流にするためには循環ポンプから供給される流量を、一定以上の値で供給すればよいということになります。
この場合、水温によって動粘性係数が異なってきますので、水温によっても流量を変化させる必要があります。
以下に乱流粋の指標となるデータを【表】として示します。
【表】冷却水の乱流域限界流量(L/min)
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