ミスミ「冷却穴止め栓」は、金型の主に型板内の冷却水路の途中を封鎖するために使用する止め栓で、機械加工された深穴の奥の止め栓を、簡単にかつ確実に固定することができるユニークな商品です。
型板の内部で冷却水を複雑に循環させることで成形品の冷却温度分布を均一化し、そりや変形、光沢むらなどを改善することができることは良く知られています。しかし、冷却回路を複雑に構成することは機械加工が複雑になり、実現するためにはたくさんの制約条件をクリアーしなければなりません。
そのような場合に、深穴を開けておき、途中を止め栓で固定できるように設計すれば、簡単にその熱伝導の構成を手に入れることができます。
本製品を冷却穴内へ固定するためには専用工具を使用します。アルミニウム合金製の止め栓を工具先端に装着し、所望の位置まで工具を挿入し、ハンドル握ると止め栓が塑性変形して固定が完了します。ハンドルを握る握力は、女性でも十分に作業できる程度に設計されています。固定位置は目盛りを刻んだスケールパイプを使うことで、所望の位置へ固定ができます。
大型の金型等で、冷却水穴の機械工作が困難な場合などには特に重宝します。
成形サイクルの適正化によるサイクルタイムの短縮、省エネルギー成形にも有効です。
止め栓は、消耗品として50個と100個のパック販売をいたしますので、安価に購入することができます。
金型の部品を機械加工する工作技術やCAD/CAM技術は高度に進歩していますが、設計上の工夫やこの製品のような工法を採用する「知恵」を用いることは実務上大変有益です。ユニークな着眼点から開発されたミスミ「冷却穴止め栓」を是非ご活用ください。