ミスミ「エコ・スプルーブシュ」は、スクラップとして廃棄されるコールドランナーを削減し、サイクルタイムを短縮できる効果があるスプルーブッシュです。
スプルーは、金型内へ射出成形機の射出シリンダーから樹脂を導くための導入路で、コールドランナー金型では必須の部分になります。しかし、樹脂の充填が完了した後はその効用を終えて、スクラップとなる運命にあります。
スプルーのサイズは、樹脂を流動させるためにはある程度の太さが必要になりますが、太すぎると冷却に時間がかかり、かつ廃棄する材料も多くなってしまいます。一方、スプルーが細すぎると樹脂を充填させるのに高い圧力が必要になり、金型の破損を招いたり、成形品に高い残留応力を残すきっかけともなってしまいます。
そこで、開発されたのがエコ・スプルーブシュです。原理は、ノズルタッチ部に円周形状の座(樹脂ポケット)を設け、射出成形機のノズルよりも一回り細いスプルー形状を実現することができるように工夫されています。スプルー全体が一回り細くなりますので、全体として効率的な材料低減が図れます。
適用可能な樹脂は、概ね、以下の種類となります。
ABS、PS、PP、PMMA、PE、PC、PA、POM等。
その他の樹脂についても適用は可能であると考えられますが、必要に応じて検討を行ってください。
プラスチック射出成形で発生する環境負荷を低減する取り組みとしては小さなものですが、累積すれば大きな効果に結びつくと考えられます。コールドランナー金型で生産数量が多い場合には、エコ・スプルーブシュの採用をご検討ください。