これからのプラスチック射出成形金型では、成形品の形状を正確に、安定して成形することは最低限のスペックとしてとらえられ、さらに成形サイクルをいかに短くできるかが金型の評価を左右することになるでしょう。
通常、成形サイクルの工程の中で最も大きなウエイトを占めるのが、冷却工程です。
冷却工程の時間を短縮するためには、溶融樹脂の充填が完了した後のキャビティ表面からの熱を効率的に奪い、成形品表面温度をすみやかに低下させることが肝要です。
金型には、冷却水(または冷却油)を流すための流路が、設けられていますが、単純な冷却孔のみでは、効果的な冷却が得られるとは限りません。
冷媒(流体)を効果的に作用させるためには、発熱している部分に冷媒が接触している時間と面積を大きくする工夫が有効な手段です。その一般的な手段の1つがバッフル板です。バッフル板に衝突した冷媒の先端部は、バッフル板に沿って冷却孔内を流れ、熱を奪って行きます。
この原理を工夫したものが、「スパイラルバッフル板」です。
スパイラルバッフル板は、冷媒(流体)が、らせん流路を回転しながら冷却孔内を流れるので、冷却孔の内面と接触する確率が増大し、より効果的に金型を冷却できます。
また、この商品の特長の1つに組立、調整が容易なことが挙げられます。ナイロン樹脂製(ガラス繊維30%入り)なので、冷却水孔の深さに合わせて、組立現場にて必要な長さに簡単に切断できます。更に金型分解の際にバッフル板を簡単に取りはずせ、水垢の除去も容易にできます。
冷却サイクルの短縮は、決定的な1つの手段のみではなかなか実現が難しいので、小さな工夫を積み重ねながら、着実に改善を進めるのが良いでしょう。
その手段の1つとして、スパイラルバッフル板を是非お試し下さい。