ものづくりQ&A
- Question 従来使用してきたハイスドリルは社内研磨が可能だが、超硬ドリルは外注の必要があります。しかし超硬ドリルは寿命判定が難しく、突然折損することがあり困っています。再研磨に出すタイミングをどのように判断したらよいのでしょうか? Answer 再研磨の必要性と判断基準 ハイスドリルは靭性が高いためチッピングしにくく、切れ刃が摩耗しても折れにくいという長所があります。 一方、超硬ドリルは切れ刃の寿命は長いものの靭性が低いため、ハイスドリルに比べてチッピングや折損が 起こりやすくなります。 したがって、超硬ドリルの損傷状態をチェックして再研磨のタイミングを設定することは、ドリルの再利用 と安定加工における重要なポイントとなります。 再研磨の判定基準としてはタグ:
- Question 新品の工具を使用後、再研磨に出して粗加工に使っていますが、担当者によって再研磨に出すタイミングがばらばらです。再研磨に出すべきか、まだ使えるかについて、どのように判断すればよいでしょうか? Answer 逃げ面摩耗幅による判定 逃げ面摩耗が進行すると刃先位置が後退するために、加工精度が維持できなくなり、さらに加工面粗さ精度にも影響を及ぼします。そのために、逃げ面摩耗幅で再研磨時期を判断することが必要です。 具体的には、仕上げ加工用エンドミルでは逃げ面摩耗幅0.1~0.2mm、粗加工用エンドミルでは0.6mmが再研磨のタイミングの判定基準の一例です。タグ:
- Question スクエアエンドミルなどで、外周刃の追い込み研磨を複数回行った工具だと切れが悪くなっていると感じることがよくあります。 再研磨を実施する際には、どの程度の径方向への追い込み量が限界なのでしょうか? Answer ボディ修正により工具性能再生 外周の追い込みで複数回研磨すると、外周2番角とボディ(背部)との高さに差が無くなってしまい、ボディ(背部)がワークにこすって面が粗くなったり、切れが悪くなることがあります。 その場合、ボディ(背部)を削り、修正する必要があります。 ボディ修正を行う目安としては、実寸径が元の径より1mm小さくなるタイミングで行う事が望ましいと言えます。タグ:
- Question エンドミルを再研磨に出しても研磨不可で戻ってきてしまう場合があります。特に超硬母材のものは、できるだけ再研磨をして工具コストを下げたいと思っています。研磨不可能な状態とはどのようなものがあるのか教えてください。 Answer 管理方法の注意 エンドミルは、外周に欠けが生じてしまうと、研削での修復ができなくなってしまいます。 また、底刃でも欠けがある場合、切断をしてから刃付を行うため、限界研削回数は減少してしまいます。 欠けを予防するための保管方法として、新品時についている工具ケースや刃先の保護キャップ等を使用した保管管理が必要不可欠となります。 また、超硬同士でぶつかり合っても、欠けは生じてしまうため、これにも注意が必要です。タグ:
- Question 刃数・刃長の違うエンドミルをどのように使い分ければよいか? エンドミルのカタログには、刃数や刃長の違った商品がたくさん載っていてどれを選べばよいのか迷ってしまいます。どのように使い分けるのがよいでしょうか? Answer 刃数の選び方 エンドミルの切削方式により刃数を選択します。例えば、切り込み幅と工具径が同一の溝切削では、大きなチップポケットが必要なため、一般的には2枚刃のエンドミルが用いられます。切り込み幅の小さい側面切削では工具剛性を優先して多刃のエンドミルを選択するのがよいでしょう。タグ:
- Question T溝などの加工において、加工精度の向上と加工時間の短縮をしたい T溝の切削にハイス鋼のTスロットカッターを使用していますが、工具のビビリが発生し、加工精度が出ず困っています。 また、溝の底面や側面に形状と寸法の指定があり、加工時間がかかり困っています。 加工精度の向上と加工時間の短縮に、何か良い方法はありませんか? Answer 超硬Tスロットカッターによる切削加工 ハイス鋼は、超硬に比べ靭性が高く折れにくいという反面、超硬に比べてしなりやすいため、ビビリが発生しやすくなります。加工精度を向上させるには、超硬のTスロットカッターを使用することで、ビビリを抑えることが有効です。 T溝の底面や側面に形状・寸法の指定がある場合、形状・寸法を指定可能なTスロットカッターを使用することで加工時間の短縮が可能です。この場合も、加工精度を考慮して超硬Tスロットカッターを使用することをおすすめします。タグ:
- Question プラス公差の座繰り穴を加工するには? 座繰り穴加工を行う場合、プラス公差のスクエアエンドミル以外の選択肢があれば教えてください。 Answer 正寸のエンドミルでコンタリング切削する プラス公差のエンドミルは、ドリルと同様な突っ込み切削の場合に必要です。一方、穴径より小さい工具径のエンドミルでは、穴の中心部から螺旋状に工具を移動させ、コンタリング切削で座繰り穴面を仕上げると、簡単に任意の径寸法の座繰り径を加工することが可能です。この場合は、あらかじめエンドミル径を計測し、工具補正して切削すると高精度な加工が可能になります。タグ:
- Question 現在水溶性切削油を使用していますが、ねじ切りの仕上げ面粗度が悪かったりタップが すぐダメになって困っています。 ねじ穴加工においてはどのようなクーラント方法が最も面がきれいに仕上がり、かつ工 具寿命も伸びるのでしょうか? Answer ねじ穴加工に最適なクーラントと供給方法 ねじ穴加工はフライス加工やドリル加工と異なりクーラントの選定や給油方式がねじ精度やタップの耐久性に大きく影響します。 タップによるねじ穴加工は他の切削加工に比べて切削速度が遅く、切りくず排出が困難とされているため、潤滑性の高い活性・不活性極圧タイプの不水溶性切削油を使用することをお勧めします。タグ:
- Question ロールタップの下穴管理はどのように行えばいいか ドリルで下穴加工後ロールタップを使用しているのですが、高精度なねじが切れません。 ロールタップの下穴は精度が必要と聞きますが、下穴加工用工具はどのように選定すればいいのでしょうか? Answer ロールタップの下穴精度の必要性と下穴径 ロールタップは塑性加工でねじを成形する加工方法であり、下穴寸法はねじ山形状に大きな影響を及ぼすため、高精度な下穴管理が必要です。タグ:
- Question 止り穴のねじ穴加工において不完全ねじ山部が生じてしまう 止り穴のねじを加工したいのですが、通常のタップだと不完全ねじ山部が多く残ってしまい困っています。不完全ねじ山部が多いと部品の剛性も落ちてしまいます。 止り穴の底部まで高精度なねじ加工ができるような工具はないでしょうか? Answer タップによるねじ穴加工の限界 止り穴のねじを加工したいのですが、通常のタップだと不完全ねじ山部が多く残ってしまい困っています。不完全ねじ山部が多いと部品の剛性も落ちてしまいます。 止り穴の底部まで高精度なねじ加工ができるような工具はないでしょうか?タグ:
- Question 高精度な穴仕上げのポイントは? 高い精度を求められる穴の仕上げ工程では、穴仕上げ用工具の使用に際して非常に神経を使います。 確実に高精度な穴を仕上げるには、どのようなポイントが大切になるのでしょうか?タグ:
- Question リーマで仕上げた穴の面粗度が低くて困っている 穴の仕上げ工程でリーマを使用していますが、穴の面粗度が思い通りに仕上がりません。 最近は径精度だけでなく、穴の面粗度にも高いレベルが要求される仕事が多く、どのような工具を選んだらいいのか困っています。 Answer リーマの構造とバニシング効果による面粗度向上 リーマを使った穴仕上げ加工において、面粗度を決定付けるのは、外周に備えられたマージン部(丸ランドリーマを使った穴仕上げ加工において、面粗度を決定付けるのは、外周に備えられたマージン部(丸ランド部)が果たすバニシング作用です。ワークにこすり付けるように加工するマージン部(丸ランド部)の働きにより、リーマは穴径の仕上げや面粗度向上に強みを発揮します。タグ:
- Question 斜面に穴あけをするのに最適な加工方法は? 平面ではなく傾斜面のワークに穴を加工したいのですが、どのような方法が最も効果的でしょうか? Answer 斜面への穴加工における一般的な加工方法 傾斜面の加工ではドリルに対して横方向の抵抗が発生することで、ドリルの曲がりを引き起こすため、安定的な加工が難しくなります。この場合、ドリルでの穴あけ前にエンドミルなどで平面加工を行ったり、センタードリルで位置決め加工を行うことでドリルの振れや曲がりを抑制し、安定加工を実現します。また、フラットドリルを使用するのも大変有効です。タグ:
- Question ドリルで加工した穴が曲がってしまい困っている ドリル工程で下穴を加工後、リーマ工程で穴を仕上げていますが、ドリルで加工した下穴に曲がりが発生することがあり、仕上がった穴が曲がってしまいます。 位置決めに使うノックピンがしっかりと入らない等のトラブルにつながるため、曲がりのない穴をあけたいと思うのですが、ドリル工程での穴の曲がりを抑えるにはどうしたらよいのでしょうか?タグ:
- Question 超硬ドリルの使用メリットを教えてほしい ハイスドリルでの穴加工工程を超硬ドリルに切り替えたという話をよく聞くようになりました。自社でも超硬ドリルへの切り替えを検討しようと思います。 超硬ドリル導入の具体的なメリットについて教えてください。タグ:
- Question 工具の抜け際に発生するバリをうまく処理するには? 工具の抜け際に発生したバリを除去するのに、かなりの時間を要しています。 なぜ、バリが発生するのでしょうか?また、発生してしまったバリを、短時間で処理するにはどのような方法がありますか? Answer バリ発生について 工具の抜け際で、空間に飛び出した削り残し部分がバリとなります。 被削材別で見ると、アルミ・銅合金のような軟質材では大きなバリ、高硬度材の場合は小さなバリ、鋳鉄では負のバリ(欠け)など、被削材に応じて異なったバリが発生します。 その他のバリ発生事例として、切削面の「むしれ」があり、切削加工ではバリ発生は避けられない現象と言えます。タグ:
- Question 底面加工時にカッターマークがついて困っている モールド金型のポケット加工で、超硬スクエアエンドミルを使うとどうしても底面にカッターマークがついてしまって困っています。 特に多数個取りの金型になると、入れ子の高さが異なってしまうので、フライス加工の後の仕上げ工程で、このカッターマークを取るようにしていますが、きれいに仕上げるのにかなりの時間が掛かってしまいます。 カッターマークの発生を防ぐにはどのように対応したらよいのでしょうか? Answer カッターマークがついてしまう理由 超硬スクエアエンドミルで加工すると、取り付け時や加工時の工具の振れ、機械主軸の熱変位などで、工具刃先の先端がワークに食い込む作用が働きます。これにより、引っかき傷のようなカッターマークがついてしまいます。タグ:
- Question アルミ合金の切削加工に対するコーティングの使い分けはどうしたらいいですか? アルミ加工用の工具として、DLCコート品やダイヤモンドコート品がありますが、被削材によってどのように使い分ければいいでしょうか。タグ:
- Question 鋳鉄を切削加工するときのポイントは? [被削材例] FC250、FCD600 Answer 鋳鉄の特性 材料中に片状の黒鉛組織が散在するねずみ鋳鉄は、切りくずが小さく分断されやすい特性を有します。さらに、黒鉛が固体潤滑剤として作用し、切削抵抗は鋼に比べると小さいため、切削加工は比較的容易といえます。 一方、球形状の黒鉛を含有したダクタイル鋳鉄は、切りくずが分断されにくい特性を持ちます。タグ:
- Question 交差穴のバリ取りを自動化したい マシニングセンターを用いて交差穴のバリ取りを行いたいのですが、工具選定および注意点を教えてください。 Answer 1次加工穴方向からバリ取りを行うのが一般的 交差穴のバリ発生メカニズム 穴加工の際、2次加工穴の切削時に、1次加工穴と2次加工穴の交差する部分に、1次加工穴の方向に返りバリが発生します。 また、交差穴のバリ取りは、次のような理由から複雑で難しいものとなっています。タグ: