蝶番(丁番)とは
扉や蓋などを支え、開閉できるようにする部品です。


特長
- 蝶番(丁番)ちょうばん・ちょうつがい・ヒンジとも言います。
- 蝶番は一般的には、一本の軸を中心に左右に開く「平蝶番」を指しますが、取りつける扉の材質や状況などに応じて色々な種類の蝶番があります。
蝶番の種類
平蝶番 | さまざまなシーンで使用される最も一般的な蝶番です。 | ![]() |
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抜差し蝶番 | 羽根が左右に分かれている蝶番です。簡単に抜き差しが可能なため、扉を取り外すことが頻繁に必要な場合や、メンテナンス、清掃を容易に行いたいシーンで重宝します。 | ![]() |
ハタ蝶番 | 羽根が上下に分かれている蝶番です。軸を中心にそれぞれの羽根が360度回転します。重量のある扉や、門扉が大きく回転する必要のあるシーンで重宝します。 | ![]() |
長蝶番 | 羽根が長い蝶番です。大きな扉、あるいは重量物を支える必要がある場合に向いており、たわみや反り返りを防ぐことができます。 | ![]() |
トルク蝶番 | 任意の角度で保持ができる蝶番です。扉やカバーなどが不用意に閉まることを防ぐことが可能なため、安全性が求められる場所での使用に適しています。 | ![]() |
ダンパー蝶番 | 扉や蓋が閉じる際に速度を制御し、静かにゆっくりと閉まるようにする機能を持つ蝶番です。静音性が求められる場所や安全性を重視する用途に適しています。 | ![]() |
ストップ蝶番 | 特定の開き角度でストップします。スペースが限られている場所などで扉や蓋が開きすぎるのを防ぎたい場合に適しています。 | ![]() |
スプリング蝶番 | ばね機構により手を離すと閉じる蝶番です。開けっ放しを防ぎたいなど、自動閉鎖が必要な場所に適しています。 | ![]() |
溶接蝶番 | ねじではなく、溶接で鉄扉などに取り付けるタイプです。特に高い強度が求められる場面で使用されます。溶接によって蝶番をしっかりと固定することで、重い扉や頻繁に開閉される扉に適しています。 | ![]() |
クリーン蝶番 | 金属同士の接触による金属粉の発生を抑えたり、飛散を防止する蝶番です。医療機器や半導体製造装置、食品加工機械などのクリーンルーム内での使用に適しています。 | ![]() |
取り付け方法と注意点
許容荷重の考え方
一般的に、記載の許容荷重は2個使用時での標準的な使用方法における扉の質量となります。
標準的な使用方法とは、縦使いした場合で図1のように蝶番2個の取付ピッチをA、蝶番の回転軸中心から扉重心位置までの距離をBとし、A=2×Bとなるように取り付けた場合の目安となります。
図2のように縦使いをした場合は取付ピッチに関係なく、記載の許容荷重が扉の最大質量となります。こちらも蝶番を2個使用した場合の値です。
※記載値はあくまで参考扉質量であり、保証値ではありません。
ご参考の上、お客さまにて仕様用途を加味した上でご選定いただくようお願いいたします。

(図1:縦使い)

(図2:横使い)
取り付けについて
蝶番を3個以上取り付ける際は、必ず各蝶番の軸が同一線上になるように取り付けてください。
トルク蝶番の選定方法
トルク蝶番を選定する際は、取り付ける扉や蓋の重量と長さを基に、以下の計算式を使用して必要なトルクを算出します。
・計算式
必要最大トルクT = L/2×m×9.8(N・m)
L : 支点から蓋の端までの距離(m)
m : 蓋(扉)の質量(kg)

(例)
支点からの距離(L)が0.3m 蓋の質量(m)が2㎏の場合
最大トルクT=0.3/2×2×9.8=2.94
必要なトルク値が2.94N・mということになります。
算出したトルク値を基に、カタログ内の設定トルクを参照し、適切な蝶番を選定してください。
※扉の重心が中心にあることを前提としています。重心が偏る場合は、別途計算が必要です。
選定時のポイント
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定格荷重
蝶番が支えることができる最大荷重を確認し、取り付ける扉や蓋の重量・サイズに適した定格荷重の蝶番を選びます。
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開閉角度と動作特性
必要な開閉角度、動作に応じた蝶番を選定します。特定の角度で停止する機能が必要な場合はストップ機能付き、不意の閉鎖を避けたい場合はトルク機能付き、自己閉鎖機能が欲しい場合はスプリング蝶番など。
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取り付け方法
溶接、ねじ止め、またはその他の取り付け方法に適した蝶番を選びます。取り付け面の材質や形状に応じて選定します。
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材質・オプション機能
使用環境や用途に応じてお選びください。
よくある質問
- Q. 1個で使用できますか?
- A. 長蝶番以外は、基本的に2個以上で使用することを推奨しております。
- Q. 3個以上使用する時の注意点を教えてください。
- A. 蝶番同士の軸心位置がずれてしまうと可動性が著しく悪化します。軸心はまっすぐにし、蝶番同士のピッチはなるべく均等にしてください。
- Q. 開閉の耐久性はどのくらいになりますか?
- A. お客さまの使用環境や仕様条件によって異なります。
- Q. 抜差し蝶番のL・Rの定義について教えてください。
- A. 左右の定義はメーカーによって異なります。
ミスミでは取付方法によって以下のような定義としております。抜差し蝶番とハタ蝶番で異なりますのでご注意ください。
抜差し蝶番の場合
筐体や扉の表面に取り付けることを想定し定義しています。
筐体の右側に取り付ける場合は右勝手(R)、左側に取り付ける場合は左勝手(L)となります。(下図は右勝手)


ハタ蝶番の場合
扉の筐体内側に取り付けることを想定し定義しています。
筐体の右側に取り付ける場合は右勝手(R)、左側に取り付ける場合は左勝手(L)となります。(下図は右勝手)


- Q. トルク蝶番に許容荷重が記載されていないのは何故ですか?
- A. トルク蝶番は扉や蓋の開閉に必要なトルクを提供するためのものであり、扉の最大モーメントから必要トルク値で選定するためです。