プレス金型部品
- ダイプレートはダイを構成するプレートです。最もシンプルな形が【図1】に示した一体型構造です。ダイとして必要な形状を全て作り込みます。プレートを小さくすることができます。必要精度を作り込む必要があること、メンテナンス(再研削)のときにプレート全体を研削するので、だんだん薄くなってしまう。等の問題があります。中量から少量に適した形といえます。タグ:
- 【図1】を見て下さい。ダイの上に被加工材(材料)があります。材料はダイの上に配置された各加工ステージをふらつくことなく、滑らかに移動する必要があります。そのための案内(ストックガイド)が必要です。ストックガイドは材料幅を案内しますが、材料の横曲がり(キャンバ)や切断幅公差を考慮して、滑らかに動くガイド幅を設定します。ゆるすぎると不安定になりますが、さらに細かな位置調整は、パイロットにゆだねることを前提に決めます。タグ:
- 繰り返しの話になりますが、プレス加工に用いる金型ではパンチ、ダイが重要な部品となります。 順送り加工では【図1】に示すストリップレイアウトを作りますが、ストリップレイアウトには2つの意味があります。 1つは「問題なく製品形状が加工でき、品質的にも問題ないように工夫され製品が加工できること」最も大事な部分です。 もう1つは「金型構造設計が考えられていて、パンチ、ダイ等を配置したときに強度的に弱い部分が無いように工夫されていること」です。 順送り金型でストリップレイアウトが決まれば、金型の60〜70%が完成したも同然と言われるのはこの辺にあります。タグ:
- 【図1】に示すような形状例で、輪郭形状の一部に弱い部分があるものを外形抜き(ブランキング)すると、弱い部分のダイまたはパンチが破損して、金型の信頼性を維持することができません。タグ:
- 【図1】に示した製品形状には、いくつかの問題点があります。抜き加工でどの場合でも言われることが、Rの無い角です。パンチまたはダイの角がチッピング(パンチ等の角が細かく欠けて欠落すること。バリ発生の原因となる)を起こしやすいため、角に材料板厚の1/2以上、できれば板厚分程度の丸みを付けるようにします。 穴の外形と接近した部分が、目安として材料板厚の2倍以下になると、外形抜きに伴って変形を起こします。この原因は側方力と曲げモーメントによるねじれです。丸穴では側方力の影響が大きく、穴の変形(小さくなる)がおきます。 直線部分のある穴では、穴の変形と直線部分のねじれの両方の影響を受けます。穴位置をずらすことが必要です。穴の移動が無理なときにはこの工法は使わないで、材料を押さえ抜きする工法に変える必要があります。タグ:
- 順送り加工では、【図1】に示すように、送り長さ分の材料を移動させながら加工を進め、製品を完成させて行きます。 材料を型内に最初に入れた先端が、加工の進行に伴って各ステージを移動していくとき、各ステージでの加工が半欠けとならないように注意します。最後のブランク抜きでは半欠けになりやすいです。半欠けを起こすとパンチに横荷重が働き、ダイとのかじりを起こしやすくなり、バリ発生の原因となります。【図1】は半欠けとならない理想的なバランスとなっています。ブランクレイアウトによってはどうしても半欠けとなることがありますが、その場合はできるだけ大きな面積が加工できるように工夫します。タグ:
- 順送り加工では、送り長さを安定させることが大切です。送り長さの変動は、製品精度に直結します。【図1】にその内容を示します。タグ:
- 【図1】のような製品を、抜き落とし順送りで加工しようとします。そのときのレイアウトが【図2】に示したようになります。タグ:
- 総抜き型の材料ガイドに関係する内容です。総抜き型で加工している状態を現した形が【図1】です。その構造の断面を現したものが【図2】です。タグ:
- 総抜き加工された製品は、ダイの中に押し込まれノックアウトを押し上げた状態で、ダイとの摩擦力で留まっています。「総抜き加工の製品取り出し(ノックアウト)」で、プレス機械とノックアウトの関係を説明しています。この回も参照して、以下を見てください。 【図1】に示すような形状では、ノックアウト中央に空間があるため、ノックアウト棒で直接ノックアウトを押すことができます。この方法が採用できれば、金型構造は簡素化できます。タグ:
- ノックアウトが落下しないようにする方法です。 大きな製品では【図1】に示すように、ノックアウト内部に複数のタップを加工しておき、吊りボルト(ストリッパボルト)で保持するものです。この方法が採用できれば、金型設計はずいぶん楽になります。金型製作もダイの裏逃がしが無いので楽になります。吊りボルトの破損を防ぐ目的から、できるだけ太いねじを使うようにすること、定期的に増し締めを行うことが必要です。 丸形状やシンプルな形状ではノックアウトの一部または全周にフランジを付け、このフランジで落下防止を図ります(【図2】参照)。タグ:
- ノックアウトは常に材料と接しています。材料には加工油が塗布されていることが多く、その油で材料がノックアウトに密着して、ダイから排出した後でも、製品がノックアウト面に張り付き、2枚打ち(ノックアウトに製品を付けたまま、再度材料を加工してしまうトラブル)してしまい、金型を壊すことがあります。この現象は、作業者が注意していても押さえきれるものではありません。金型構造上から対策しておくことがよいです。 【図1】に示すように、ノックアウトにキッカーピンを入れておくことで材料の密着を防ぎます。キッカーピンは、1本の時には、重心位置を複数入れるときには、バランスを考えて入れます。タグ:
- ノックアウトは【図1】に示すように、ダイの中に組み込まれます。総抜き型は外形抜きのダイが上型(プレス機械のスライドについて上下する)で、外形抜きのパンチが下型(プレス機械のボルスタプレート側に固定される)に配置される、逆配置構造となっています。この構造の特徴的な部品が、ノックアウトです。 ノックアウトは、穴抜きパンチのストリッパの役割と、ダイの中に入った製品を排出する2つの役割を持っています。通常、ノックアウトは製品形状とほぼ同じ形状に作ります。 ノックアウトの面は【図2】に示すように、ダイ面と同じにするか、少し凸にします。凸量は0.5mm〜1.0mm程度です。意外とダイ面と同じにすることは少ないようです。タグ:
- 総抜き加工では、製品形状(【図1】)と、総抜きパンチ(【図2】)形状は、見た目では同じような形となります。 パンチの輪郭形状は外形抜きのパンチとなります。製品の輪郭寸法に対して、パンチの輪郭形状はクリアランス分小さく作ります。 パンチの中にある穴は、穴抜きダイです。製品の穴寸法に対してクリアランス分大きく作ります。かす落とし穴に関する注意は穴抜き加工に準じます。 かす詰まりが起きると、すぐに破損につながりますからダイ刃先の長さは短めにしておきます。近接した穴では途中から複数の穴を一つの大きなかす落とし穴にして、かす詰まりしにくい構造を工夫します。タグ:
- 【図1】が総抜き型の基本的な構造といえます。 総抜き型は複合加工(外形抜きと穴抜き)です。複合加工の構造の作り方は「複合金型構造の作り方」で説明しています。その後、「総抜き型の構造」を説明しています。参照して下さい。 今回は、更に細かな部分について解説します。タグ:
- 総抜き加工の金型構造を【図1】に示します。外形抜き(ブランク抜き)のダイが上型にある構造です。このような構造を「逆配置構造」と呼びます。 逆配置構造では、外形抜きされた製品は上型のダイに入ります。上型はプレス機械のスライドに取り付けられ上下運動をしますから、ダイに入り込んだ製品をうまく排出しないと、金型を壊したりすることになります。ダイに入り込んだ製品を排出する金型部品をノックアウトと呼びます。逆配置構造の特徴的な部品です。逆配置構造は抜き加工以外では絞り加工でよく使われますが、ノックアウトの働き(動き)は同じです。タグ:
- 総抜き加工では、【図1】に示すように、外形抜きは下から上方向に向けて抜きます。穴は逆に上から下に抜きます。こうすることで、穴抜きのスクラップは下に落ちます。製品(外形抜き)は上型にあるダイの中に入り込みます。総抜き加工のような複合加工では、スクラップを上に持って行くと処理に大変苦労することが多いので、下に落ちるような形となるように設定することが多いのです。ダイに入り込んだ製品を型外に排出する必要があります。この点が総抜き加工の問題点といえます。タグ:
- 総抜き加工については、総抜き型の構造(金型構造のいろは その6)で総抜き型の最も基本的な構造を示しています。まずは、加工および金型構造のイメージを取り込んで下さい。 総抜き加工とは、外形抜きと穴抜きを同時に加工します。 そのメリットはいくつかあります。プレス加工製品は金型形状の転写で作られます。金型を正確に作っておけば、その精度が製品に転写され得られるわけです。総抜き加工では、外形と穴の位置精度の関係と穴や外形形状の形状精度についても当然ですが、金型寸法として得ることができます。タグ:
- 【図1】に示すような穴数の多い製品では、1回で加工すると金型破損等の問題が発生する場合があります。このようなときに、穴加工を分けて加工しますが、その際の注意事項を説明します。 穴加工を分けるときには、タグ: