切削加工:基礎知識
- Question ねじ切りカッターの導入メリットや使い方についての基本を教えてほしい タップに代わるねじ穴加工用工具として「ねじ切りカッター」を紹介されました。 これまでタップでのねじ穴加工を行ってきたため、ねじ切りカッターの使い方や、どのようなメリットがあるのか、といった点について教えてください。 Answer ねじ切りカッターの導入メリット タップは前工程であけた下穴に、おねじを差し込むように1回転あたりねじピッチだけを送り、めねじ加工をする工具です。量産に適していますが、その反面トラブルも多くあります。高品質、安定加工、トラブル時の対処にメリットがあるねじ切りカッターの導入メリットと加工例を以下に記載していますのでご参照ください。
- Question 刃数・刃長の違うエンドミルをどのように使い分ければよいか? エンドミルのカタログには、刃数や刃長の違った商品がたくさん載っていてどれを選べばよいのか迷ってしまいます。どのように使い分けるのがよいでしょうか? Answer 刃数の選び方 エンドミルの切削方式により刃数を選択します。例えば、切り込み幅と工具径が同一の溝切削では、大きなチップポケットが必要なため、一般的には2枚刃のエンドミルが用いられます。切り込み幅の小さい側面切削では工具剛性を優先して多刃のエンドミルを選択するのがよいでしょう。タグ:
- Question 現在水溶性切削油を使用していますが、ねじ切りの仕上げ面粗度が悪かったりタップが すぐダメになって困っています。 ねじ穴加工においてはどのようなクーラント方法が最も面がきれいに仕上がり、かつ工 具寿命も伸びるのでしょうか? Answer ねじ穴加工に最適なクーラントと供給方法 ねじ穴加工はフライス加工やドリル加工と異なりクーラントの選定や給油方式がねじ精度やタップの耐久性に大きく影響します。 タップによるねじ穴加工は他の切削加工に比べて切削速度が遅く、切りくず排出が困難とされているため、潤滑性の高い活性・不活性極圧タイプの不水溶性切削油を使用することをお勧めします。タグ:
- Question ロールタップの下穴管理はどのように行えばいいか ドリルで下穴加工後ロールタップを使用しているのですが、高精度なねじが切れません。 ロールタップの下穴は精度が必要と聞きますが、下穴加工用工具はどのように選定すればいいのでしょうか? Answer ロールタップの下穴精度の必要性と下穴径 ロールタップは塑性加工でねじを成形する加工方法であり、下穴寸法はねじ山形状に大きな影響を及ぼすため、高精度な下穴管理が必要です。タグ:
- Question リーマで仕上げた穴の面粗度が低くて困っている 穴の仕上げ工程でリーマを使用していますが、穴の面粗度が思い通りに仕上がりません。 最近は径精度だけでなく、穴の面粗度にも高いレベルが要求される仕事が多く、どのような工具を選んだらいいのか困っています。 Answer リーマの構造とバニシング効果による面粗度向上 リーマを使った穴仕上げ加工において、面粗度を決定付けるのは、外周に備えられたマージン部(丸ランドリーマを使った穴仕上げ加工において、面粗度を決定付けるのは、外周に備えられたマージン部(丸ランド部)が果たすバニシング作用です。ワークにこすり付けるように加工するマージン部(丸ランド部)の働きにより、リーマは穴径の仕上げや面粗度向上に強みを発揮します。タグ:
- プラスチック射出成形金型のキャビティ、コアを切削加工する方法として、高速ミーリング加工法があります。高速ミーリング加工では、主軸回転数50,000~75,000rpm程度の高速で刃物を回転させて、熱処理後の合金鋼などを精密に機械加工することができます。わが国の金型工作法の中でも主力の機械工作法に位置付けられます。 高速ミーリング加工を行うために、マシニングセンタが必要なことは当然ですが、切削工具も必要です。工具材質は、超硬合金やcBN焼結体(立方晶窒化硼素)を使用します。工具は硬度が極めて高いことが必要ですが、さらに高速回転しますので、回転による工具の振れを小さくしないと切削面の粗さや加工精度が大きく左右されてしまいます。 そこで、マシニングセンタ主軸と工具をつなぐツールホルダーの存在が大変重要になってきます。 ツールホルダーは、一般のミーリング加工では、コレットチャック方式を採用しています。 しかし、コレットチャックでは高速回転させた場合の振れが大きく15~20μm程度も振れてしまいます。
- 切削工具には硬くて、摩耗しにくい素材が材質として向いています。工具の材質は、加工物の材質や表面状態とも密接な関係があります。オールマイティな工具素材はありません、加工物との相性や加工品質によって適切に選定をする必要があります。 以下に主要な切削工具の材質を解説します。 【炭素工具鋼】 炭素工具鋼は、SKシリーズの工具鋼です。最も原始的な工具材質です。摩耗しやすく 金型の切削加工ではほとんど使われなくなりました。 【合金工具鋼】 SKS、SKDシリーズが該当します。炭素工具鋼にニッケルやクロム、モリブデン、タングステン等を含有させて、耐摩耗性を向上させています。焼き入れ前の鋼材の切削加工などに使用されます。 【高速度鋼】 SKHシリーズが該当します。タングステン、バナジウム、コバルトなどを含有させた素材です。エンドミルやドリル、バイトに使用されます。焼き入れ前の鋼材の切削に適しています。 【粉末高速度鋼】 高速度鋼の素材を、あらかじめ粉末状態として不純物を取り除いた後に真空溶解させて純度を高くした高速度鋼です。刃先の欠けがしにくくきれいな加工面が得られ、長寿命です。タグ:
- 金型部品の切削加工に用いるエンドミルやバイトなどの切削工具については、各種の専門用語が定められています。切削加工について検討する場合には、これらの専門用語を知っておくことが必要になります。 <スクエアエンドミル> フライス加工に用いるエンドミル工具のうち、外周面と端面に切れ刃を持ち、角形状の断面を持ったシャンクタイプのフライスのこと。 <ボールエンドミル> フライス加工に用いるエンドミル工具のうち、球状の底刃を持ったシャンクタイプのフライスのこと。 <ラジアスエンドミル> フライス加工に用いるエンドミル工具のうち、スクエアエンドミルのコーナー部が円弧形状のRが付いているフライスのこと。 <刃長> 切削工具の切れ刃部の長さのこと。 <シャンク> エンドミル工具の柄のこと。工具を工具ホルダーに取り付ける部分になる。 <工具径> エンドミル工具の刃部の外接円の直径のこと。 <ヒール> エンドミル工具の逃げ面と溝とのつなぎになっている部分のこと。
- モールド金型の部品のほとんどは金属製であり、炭素鋼をベースとした鋼材が使用されています。こららの素材は、機械加工によって所望の形状に機械工作されて金型部品となりますが、機械工作の中でも最もシンプルで加工効率が良いのが切削加工です。切削加工は、工具(刃物)によって鋼材等を削って加工します。旋盤やフライス盤による加工は切削加工です。切削加工は、そのプロセス自身は長年の金属加工の歴史において世界各地で膨大な量の加工が行われてきましたが、その過程で切削加工の理論体系はかなり確立されてきています。経験と勘による切削加工ではなく、理論に基づいた切削加工を行うことが精密金型の部品加工では必要になります。 そこで、切削加工における専門用語について解説をします。 <工具回転数> 回転工具が、単位時間に回転する回数のこと。 単位 min-1 <切削速度> 工具と工作物の相対速度のこと。 単位 m/min <送り速度> 工具と工作物の相対的移動速度のこと。 単位 m/min <切削抵抗> 工具の刃先が切削加工において受ける抵抗力のこと。 単位 N