【図1】に示すようなコイル材を使ったプレス加工では、アンコイラと送り装置間の材料のたるみの管理が必要です。このたるみ管理をループコントロールと呼びます。【図1】で張り限界と示した破線の形になると、金型内の材料送り異常となるばかりでなく、小形のアンコイラでは引き倒されてしまうこともあります。
材料は材料送りに連動して滑らかに連続的に巻きほぐされることが理想ですが、多くのアンコイラではループ下限で巻きほぐしを止め、上限位置の検出で巻きほぐしを再開する間欠的な動きをします。下限、上限を検出するセンサーに注意が必要で、バー式の検出装置ですと、軟らかい材料ではバーによる材料折り曲げが発生することがあります。このような材料ではタッチ式のセンサーがいいです。
ループの状態(下限から上限)によって、送り装置にかかる負担は変化します。ループ下限では負担は大きく、上限では負担は少なくなります。プレス機械の加工spmが大きくなると、送り装置入り口付近で材料はバタツキ現象を起こすことがあります。この現象が発生すると送りの変動が大きくなり、加工ミスの原因となることがあります。
このような問題に対する対策として、【図2】に示すようなS字ループコントロールがあります。S字ループはアンコイラと送り装置間の距離を短くする効果もありますが、材料のバタツキ等の問題対策にもよい方法です。欠点は設備が高くなることです。