ツイスト加工は【図1】に示すように材料をねじる加工です。形からすると、曲げより成形に分類する方が適当に思えるのですが、どのようなわけか曲げとして扱われています。
ツイスト加工は簡単なようですが、材料を掴んでねじる(回転させる)動作は、金型構造を考えると意外と面倒です。
ひとつの例としての構造が【図2】です。構造は、上型に下降パンチ、下型に上昇パンチがあります。上昇パンチはリンク機構で、上型の押し棒でリンクを押すことで上昇するようになっています。
【図3】は、ツイスト加工の過程を示したものです。
(a)は、上型が下降して、下型の上昇パンチ上にある被加工材(材料)を押さえた状態を示しています。ねじられない部分の材料は固定されています(図は省略)。この状態から、下降パンチと上昇パンチは等量上下に移動します。このようにすることで、材料はねじられ形状が作られます。
(b)は加工が完了した状態を現しています。
【図4】は加工の状態を説明しているものです。加工前の水平の形から90度回転させた(ねじった)加工後の形状を示しています。
この図でのポイントは中心点で示した部分です。中心点が動かないように材料を回転させなければ行けないのです。この動作をさせるために、リンクを使い、下型にある上昇パンチを動かすようにしています。上昇させるタイミングは、押し棒の長さで調節します。
ねじった材料を見ても、さほど魅力を感じるものではありませんが、安定した品質のものを作ろうとすると面倒なものもあるという例です。