原油価格の高騰がリビア情勢、中近東の不安定要因さらに今回の大地震によって先行きが不透明な状態となっているようです。そうすると熱可塑性プラスチックの材料価格もコスト高の方向になっていく可能性があります。
原材料コストを低減させるアイデアとしてはナチュラルファイバーコンポジットという方法が考えられます。
ナチュラルファイバーとは、木材や紙等の天然繊維のことです。これらの天然繊維の含有率を30~60%程度に増やすことで石油由来のプラスチックの使用量を確実に減らすことができます。このようなナチュラルファイバーは、過去にも採用されたことがあります。それはオイルショックにより原油価格が上昇した時でした。
現在、有力視されているナチュラルファイバーには以下のようなものがあります。
- (1)木粉
- (4)紙粉
- (2)竹粉
- (5)椰子殻粉
- (3)葉粉
- (6)麻粉
ナチュラルファイバーの物性としては以下の項目を検討する必要があります。
- a. 粉の形状
- c. 粉の含有量
- e. 粉の物性(生化学的性質、燃焼性、分解性などを含む)
- g. 粉の混ぜ方(ダイレクト混合、ペレット供給等)
- b. 粉のサイズ
- d. 粉の色
- f. 粉のポリマーとの結合性、相性
当然ですが、粉の含有量が多くなれば樹脂の使用量をより減らすことが可能ですが、その代わりに流動性が悪くなり、成形品の機械強度が低下する傾向にあります。
使用する成形品の品質特性によってどの程度のナチュラルファイバーが使用できるのかは商品企画とも十分に検討をする必要があります。
雑貨、園芸、土木、緩衝材、水産関連、玩具などの分野では広範なアイテムでナチュラルファイバーコンポジットは採用できる可能性があります。