CBNの特長
CBNとは、立方晶窒化硼素(Cubic Boron Nitride)の略で、ダイヤモンドに次ぐ硬さを持ち、熱に対して安定しており、鉄に対して不活性であるため、ダイヤモンドでは困難であった焼入れされた特殊鋼の加工に適しています。
CBNの硬さ
CBNはダイヤモンドに次ぐ硬さを持ち、一般砥石のアルミナ砥粒や炭化珪素砥粒の約2倍の硬さを持ちます。
CBNの安定性
CBNは高硬度鋼に対して、ダイヤモンド砥粒や一般砥石のアランダム砥粒に比べ、安定した研削性が得られます。
ダイヤ&CBNホイールの周速度(参考)
ホイールの周速度m/min = ホイール外径(D) × (円周率) × ホイール軸回転数 ÷ 1000
下記ホイール周速度を目安にご使用ください。
下記ホイール周速度を目安にご使用ください。
砥粒 | ダイヤ | CBN | ||
---|---|---|---|---|
研削方法 | 湿式研削 | 乾式研削 | 湿式研削 | 乾式研削 |
周速度(m/min) | 1,200~1,800 | 700~1,200 | 1,500~2,400 | 1,200~1,500 |
ダイヤ&CBNホイールの切り込み量(参考)
下記切り込み量を目安にご使用ください。
粒度 | #140 | #170 | #220 | #325 | #400~ |
---|---|---|---|---|---|
切り込み量(mm) | 0.025以内 | 0.02以内 | 0.015以内 | 0.010以内 | 0.005以内 |
ダイヤ&CBNの粒度と面粗さの関係(参考)
■ダイヤ 被削材:超硬の場合での事例
■CBN 被削材:高速度鋼の場合での事例
粒度 | 面粗さ(Ry) |
---|---|
#140 | 3μm程度 |
#400 | 1μm程度 |
#1000 | 0.4μm程度 |
■CBN 被削材:高速度鋼の場合での事例
粒度 | 面粗さ(Ry) |
---|---|
#140 | 3μm程度 |
#400 | 2μm程度 |
#1000 | 1μm程度 |
ダイヤ&CBNホイールの粒度(♯)、ボンド、結合度、集中度に関する補足資料
粒度(♯)とは?
|
ボンドとは?
|
結合度とは?
|
集中度とは?
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---|---|---|---|
ダイヤ/CBN砥粒の「粒」の大きさを示すものです。 | ダイヤ/CBN砥粒を保持する結合材で樹脂や適当な充填材で構成されています。 | ボンドがダイヤ/CBN砥粒を保持する強さの度合いを示すものです。 | ダイヤ/CBN砥粒がどれくらいの量、砥粒層に含まれるかを示すものです。 |
表示記号は「#」で「メッシュ」と呼ばれます。例えば、砥粒の平均粒径が105μmの場合#140(140メッシュ)、平均粒径が37μmの場合、#400(400メッシュ)と呼称されます。それぞれの粒度については、下記「粒度選定表(参考)」をご確認ください。 | 樹脂ボンドの場合、JIS記号で頭文字は「B」と決められています。以後の記号については各メーカーが任意に定めたものです。被削材の種類や各種研削方法によっての選定方法については、下記「ダイヤ&CBNホイール選定表(参考)」をご確認ください。 | アルファベットの「N」を中央値と考え、例えば「L」は結合度が軟らかくホイールの切れ味が要求される場合に、逆に「P」は結合度が硬くホイール寿命を伸ばしたい場合に選定いただくのが一般的です。 | 砥粒層の体積のうち、砥粒が占める体積が25%の場合が集中度100と決められています。集中度が高いほど、砥粒が多いという意味で、その分、価格も高くなります。詳しくは、ダイヤ&CBN層1cm3に含まれる砥粒量を、下記「ダイヤ&CBN集中度選定表(参考)」でご確認ください。 |
「ダイヤ&CBNホイール選定表 (参考)」でお選びください |
ダイヤ&CBNホイール選定表(参考)
被削材 | 研削方式 | 砥粒 | 粒度 | ボンド | 結合度 |
---|---|---|---|---|---|
超硬 | 粗・湿式 | ダイヤ | #140 | BW | P |
粗・乾式 | #140 | BWD | P | ||
仕上・湿式 | #400 | BW | N | ||
仕上・乾式 | #400 | BWD | N | ||
鏡面・湿式 | #1200 | BW | L | ||
超硬・鋼の同時研削 | 粗・湿式 | ダイヤ | #140 | BD | P |
粗・乾式 | #140 | BDD | P | ||
仕上・湿式 | #400 | BD | N | ||
仕上・乾式 | #400 | BDD | N | ||
鋼 (合金工具鋼 焼入高速度鋼 焼入ステンレス鋼400系統) |
粗・湿式 | CBN | #140 | BS | P |
粗・乾式 | #140 | BSD | P | ||
仕上・湿式 | #400 | BS | N | ||
仕上・乾式 | #400 | BSD | N | ||
鋳鉄 | 粗・湿式(水溶性) | ダイヤ | #140 | BW | P |
粗・湿式(油性) | CBN | #140 | BS | P | |
仕上・湿式(水溶性) | ダイヤ | #400 | BW | N | |
仕上・湿式(油性) | CBN | #400 | BS | N |
- 生材、プリハードン鋼には不向きで、基本的に高硬度鋼向きです。
- ステンレス鋼・300系統は不向きです。
- 50HRC以下の鋼を研削すると、耐久性が極度に低下します。高硬度の高硬度鋼の研削にご使用ください。
- 鏡面加工の乾式は不向きです。
- 湿式の場合、水溶性と油性で選択が異なる場合があります。
ダイヤ&CBNホイール粒度選定表(参考)
ダイヤ&CBN 表示粒度 |
JIS粒度 | 平均粒径(μm) |
---|---|---|
#140 | #140/#170 | 105 |
#170 | #170/#200 | 88 |
#200 | #200/#230 | 74 |
#325 | #325/#400 | 44 |
#400 | — | 37 |
#600 | — | 30 |
#800 | — | 20 |
#1000 | — | 15 |
#1200 | — | 13 |
※JIS粒度は、ダイヤ&CBN表示粒度の#325までしか規格がございません。
ダイヤ&CBN集中度選定表(参考)
集中度 | 砥粒率 (体積) |
使用カラット量(ct/cm3) |
---|---|---|
75 | 18.8% | 3.3 |
100 | 25% | 4.4 |
集中度とは、砥粒層1cm3中に含まれるダイヤ及びCBN砥粒量を示すものです。
※1カラット≒0.2g
- 研削能率に関係するものですが、砥粒量が多くても使用条件等によっては研削性が悪くなることがあります。