[2024/11/27公開]
Question
フラットドリルの利点は何ですか?
最近フラットドリルというのを目にしますが、普通のドリルとどのような違いがあって、何の利点があるのですか?
Answer
フラットドリルは先端がフラットになっているドリルのことで、利点はさまざまな面形状に対して加工ができ、直進性がよく、抜け際のバリが少ない穴加工ができることです。
以下に加工用途、加工品質、加工効率での利点を記載していますのでご参照ください。
適応する加工用途 さまざまな面形状に対して加工が可能
傾斜面・曲面への加工
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座ぐり加工
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ロングドリルのガイド穴加工
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薄板加工
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異形状抜けへの加工(傾斜・曲面)
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クロス穴加工
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偏心穴の矯正
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半割れ加工(プランジ加工)
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加工品質
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良好な直進性
ドリルの中心は切削速度がゼロで切削機能がありません。そのため、普通のドリルでは加工物に進入するとき、先端が垂直に進入しなかったり振動が発生し穴が曲がる原因になります。その点フラットドリルは、先端がフラットのため、横にズレたり振動することが抑えられるので、直進性が良好です。 -
抜け際のバリが減少
普通のドリルでは先端の中心が貫通したあと、刃径方向に切りくずを押し出す力がかかりバリが発生します。フラットドリルでは径方向に押し出す力がかかりませんので、バリの発生が少なくなります。
加工効率
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センター穴不要で加工時間の短縮
良好な直進性のためセンター穴加工が不要で、加工時間の短縮になります。 -
切りくず排出性がよくトラブルが減少
エンドミル加工と比較して、フラットドリルは大きな溝構造なので切りくず排出性がよく、切りくずの噛み込みなどのトラブルが少なくなります。 -
エンドミル加工より穴加工の送り速度を上げることが可能
エンドミルより切りくずの排出性がよいため、フラットドリルの送り速度は上げることができます。
再研磨について
フラットドリルはエンドミルの底刃同様、再研磨可能です