全ての機械装置は、仕事をする機構部だけではなく、構造体の全てで力の伝達と耐久の作用が生じています。ここでは、力の伝達の考え方を“力の合成と分解”の関係で解説します。
(1)力の合成
一般には、機構部分に複数の力が働きます。この複数の力の効果は、1つの合成された力で表すことができます。この合成された力を合力といいます。
a) 作用線が同一線でなく交わる2つの力の合力
下の図のように、球にF1とF2の2つの力(方向と大きさ)を与えたときに、球がどの方向に、どの大きさの力を受けるかを知ることが力の合力で理解できます。
=2つの力の合力の求め方=
- F1とF2の2つの辺でできる平行四辺形を描く。
右図の平行四辺形OABCを力の平行四辺形といいます。 - この平行四辺形の2つの対角線のなかで、F1とF2の作用点と同じ点から描かれる対角線OCの方向(力の方向)と長さ(力の大きさ)が2つの力F1とF2の合力(力の合成)となります。
- したがって、球はF3のオレンジ色の矢印の方向で矢印の長さの比率の力で動きます。
- 力の合成の解析事例として別記事「倍力構造-2(からくり治具の素)の倍力機構」を応用したプレス機の図解を示しました。