切削加工:基礎知識(切削加工の基礎)
- [2024/8/19公開] Question 超硬エンドミルの首逃がし追加工とは何ですか 超硬エンドミルのカタログメニューに「追加工(首逃しのみ)」とありますが、どのようなことでしょうか? Answer 超硬エンドミルの首逃がし追加工とは、標準品のエンドミルに首部分(シャンクと刃の間の部分)を刃径より細く追加工したものです。 首逃がしエンドミルは側面加工で加工物とエンドミルのシャンク部分の干渉を避けるために使用されます。これにより、短い刃長のエンドミルでも深い溝やポケットの加工が可能になります。標準型番の前に「SN-」または「SNR-」の記号が付いています。 首逃がしにより、短い刃長でも多段加工が可能になります。タグ:
- [2024/8/2公開] Question エンドミル加工の効率化を検討したい エンドミル加工の加工時間を改善したいのですが、検討する項目を教えてほしい。 Answer エンドミル加工の加工時間を改善するには、単位時間当たりの除去体積を増やすことで、トータル加工時間の短縮になります。 単位時間当たりの除去体積の計算式を改善項目ごとに記載していますのでご参照ください。 単位時間当たりの除去体積の計算式 単位時間当たりの除去体積(cm3/min) =タグ:
- [2024/4/14公開] Question 旋削加工の後挽きとは何ですか? 旋削加工の後挽きとはどんな加工のことでしょうか?また、裏挽きとか前挽きとかの違いは何ですか? Answer 後挽きとは加工物の最大径の位置より旋盤チャック側を加工することです 下図のような加工物を加工する場合、B部をつかみA部を加工した後、B部を加工するためA部につかみなおすと(通称トンボ加工)、A部とB部の軸がずれてしまいます。旋盤の回転軸とチャック本体、爪の間にわずかですが軸ずれがあるためです。 B部側につかみ代を設け、長いものでしたらA部側を回転センターなどで支えて加工すれば、つかみなおさないので加工物の軸ずれが発生しません。
- [2024/2/15公開] Question 旋削ねじ切りチップのさらい刃とは何ですか? 旋削ねじ切りチップには、さらい刃があるのとないのがありますが、さらい刃とは何ですか? Answer 旋削ねじ切りチップのさらい刃とはねじ山の頂点を仕上げる切れ刃のことです さらい刃のないねじ切りチップは、ねじ山の頂点部にバリが発生するため、バリ処理とねじ山の形状を整える必要があります。ねじ山部にバリが発生するとねじゲージに入らない不具合や、バリを巻き込む現象など不具合が発生します。 さらい刃のあるねじ切りチップでは、ねじ山高さを仕上げる切れ刃により、適正なねじ山頂点の形状に加工でき、またバリを除去できます。
- [2024/2/15公開] Question 専用カッターとはどのようなカッターでしょうか? 専用カッターにランナー溝用、スプルーランナーロック穴用、ピンポイントゲート用、サブマリンゲート用とかありますが、どのようなカッターのことか教えてもらえますか? Answer ランナー溝用、スプルーランナーロック穴用、ピンポイントゲート用、サブマリンゲート用カッターは主にプラスチック射出成形金型に使われるカッターです。 【プラスチック射出成形金型の概要】 溶けたプラスチックを注入させる金型の入り口直後の太い径路をスプルーと呼びます。複数個の成形品をとる金型の場合、経路がここから複数に分岐します。スプルーから製品近くまでの経路をランナーと呼びます。樹脂はランナーを通り成形品に注入されますが、成形品の入り口部の経路をゲートと呼びます。
- [2024/2/6公開] Question 図面にざぐりや面取りの径や深さの指示が無い場合はどうしたらいいですか? 穴加工やねじ加工後のざぐり・面取り加工で図面に径や深さの指示がないことがある。ねじの規格にはざぐりや面取りの決まりがないようなのでどう対応すべきか教えてほしい。 Answer JIS B1001「ボルト穴径及びざぐり径」やJIS B 1176「六角穴付ボルト」の各ボルト・ナットなどのJIS規格を確認して、加工寸法を設計者と合意してください。 ねじには規格があり、さまざまな寸法が決められていますが、ざぐりや面取りの大きさは、ねじの規格では決められていません。そのため、ねじの種類の中で機械設計や加工で主に用いられるボルトの規格であるJIS B1001「ボルト穴径及びざぐり径」やJIS B 1176「六角穴付ボルト」など各ボルト・ナットなどのJIS規格を参照しますが、意図して低頭などの異形ボルトを使用する場合もありますので、設計者と合意してから加工を始めるのが肝心です。
- [2024/2/2公開] Question サイドカッターとメタルソーの違いを教えて サイドカッターとメタルソーの違いがわかりません。違いを教えてもらえますか? Answer サイドカッターは主に溝形状に、メタルソーはスリット溝または切断に用い、切削できる刃の範囲が異なります。以下にそれぞれの刃の範囲を記載していますのでご参照ください。 ボアタイプ サイドカッター(側フライス、がわフライス):外周面と両側面に切れ刃をもつカッター 千鳥刃サイドカッター:外周面と側面切れ刃は交互にあるサイドカッター
- [2023/11/28公開] Question アルミ加工に使う切削工具を教えて アルミを加工する準備をしていますが、どんな切削工具が適しているか教えてもらえますか? Answer 加工品質や生産性を上げるには、アルミが凝着しにくい表面コートや鋭い刃形状が必要です アルミは金属の中では硬くなく被削性は良好ですが、刃先に凝着しやすく構成刃先が発生するため、精度・面粗さなど加工品質を保つことが困難な場合があります。アルミ加工用切削工具の特長を以下に記載していますのでご参照ください。 エンドミル ●母材:超硬 ●コート:低摩擦係数のDLC、ダイヤ、ノンコート ●刃形状:切りくず排出性の優れた強ねじれ、切削抵抗のすくないピンカド ・ポジ刃 ※高い精度、高効率を要求しない加工では、ノンコートハイスエンドミルでも加工可能です。
- [2023/11/28公開] Question 高硬度鋼加工に使う切削工具を教えて マシニングセンタで高硬度鋼の加工を計画していますが、どんな切削工具があるか教えてもらえますか? Answer 高硬度鋼加工に対応した切削工具は、刃の材質、表面コート、刃の形状、剛性などが加工に耐えられなくてはいけません。高硬度鋼加工用切削工具の特徴を以下に記載していますのでご参照ください。 エンドミル ●母材:高硬度鋼用コート付き超硬またはCBN ●刃形状:ネガ刃、芯厚が太い多刃、コーナR付きが望ましい ドリル ●母材:高硬度鋼用コート付き超硬 ●刃形状:大きな先端角、剛性がある弱ねじれ
- [2023/11/28公開] Question 外径用旋削ホルダを選定したい 外径用旋削ホルダはたくさん種類がありますが、どのように選定するのか教えてほしい。 Answer 旋削ホルダとチップを選定するときは、まずホルダを選定します。チップはホルダに適合するものから加工目的に合わせてチップを選定します。ホルダの選定に必要な仕様と選定内容を、以下に記載していますのでご参照ください。 外径用旋削ホルダの選定に必要な仕様と選定内容 ①加工用途の選択:下図の加工形状に応じて選択します。
- [2023/11/28公開] Question エンドミルを選定したい エンドミルはたくさん種類がありますが、どのように選定するのか教えてほしいです。 Answer 加工用途と被削材、加工制約による刃寸法と外形状寸法から選定します。また、効率的な加工を行うために、刃数・ねじれ角・コーナー形状を選びます。 エンドミル選定に必要な仕様と選定内容を、以下に記載していますのでご参照ください。 エンドミル選定に必要な仕様と選定内容 ①加工用途の選択:加工形状に応じて選択します。
- [2023/6/22公開] Question フライス加工でびびりが発生し、工具寿命も短いです。 フライス工具を選定する際に何に気を付ければいいですか? Answer フライス工具を選定する際には、『同時切削刃数』を確認することが重要です
- 卓上フライス盤 卓上旋盤 卓上フライス盤 回転する刃物を用いて、さまざまな金属部品加工を行う工作機械です。 さまざまな加工を実現するためにフライス盤にはさまざまな刃物・アクセサリー類が必要になります。フライス盤本体のコストよりもアクセサリーのコストの方が高くなることもあります。タグ:
- 冷風発生装置 ジャバラ管エアノズル クーラントライナー セミドライミスト給油冷却機 給油冷却装置(クーラントライナータイプ) オイルガン 冷風発生装置 部分的な箇所を冷却することができる装置です。
- ツーリング工具 ドリルタッパ 芯出しバー ミーリングチャック 基準位置測定ツール 刃先位置測定ツール ツーリング工具 工作機械と刃物(先端工具)を連動させるための保持工具です。タグ:
- カッター サイドカッター 千鳥刃サイドカッター メタルソー カッター 金属の溝削り、側面削り加工に使用する工具です。タグ:
- 四角い金属を加工する場合 加工タイプ 加工のタイプごとに、さまざまな形状のカッターが用意されています。タグ:
- 旋削加工(ターニング) フライス加工(ミーリング) 穴あけ加工(ドリリング) 3つの加工方法 円筒型やチューブ状、板状の金属も思い通りに成型することが金属切削加工です。複雑な形をみると「これは、どうやって削っているのかな?」と、疑問に感じることもあると思いますが、下の3パターンの技術を駆使すれば、どんな形の成型も思いのままです。方法と素材さえ解かれば切削加工の工具の選択も理解できます。 旋削加工(ターニング) 被削材を回転させ、切刃を押しあてながら表面を削り、形状を造ります。(円筒型の金属を加工する場合)
- 切削工具には硬くて、摩耗しにくい素材が材質として向いています。工具の材質は、加工物の材質や表面状態とも密接な関係があります。オールマイティな工具素材はありません、加工物との相性や加工品質によって適切に選定をする必要があります。 以下に主要な切削工具の材質を解説します。 【炭素工具鋼】 炭素工具鋼は、SKシリーズの工具鋼です。最も原始的な工具材質です。摩耗しやすく 金型の切削加工ではほとんど使われなくなりました。 【合金工具鋼】 SKS、SKDシリーズが該当します。炭素工具鋼にニッケルやクロム、モリブデン、タングステン等を含有させて、耐摩耗性を向上させています。焼き入れ前の鋼材の切削加工などに使用されます。 【高速度鋼】 SKHシリーズが該当します。タングステン、バナジウム、コバルトなどを含有させた素材です。エンドミルやドリル、バイトに使用されます。焼き入れ前の鋼材の切削に適しています。 【粉末高速度鋼】 高速度鋼の素材を、あらかじめ粉末状態として不純物を取り除いた後に真空溶解させて純度を高くした高速度鋼です。刃先の欠けがしにくくきれいな加工面が得られ、長寿命です。タグ: