構造材を腐食環境から守るために、前述した耐食金属を、環境に合わせて使用すればよいのですが、あまりにも高価になってしまいます。
そこで考えられるのは、プラスチックなどの有機材料で鉄鋼など対象材料の表面を覆ってしまい、腐食環境から物理的に遮断して保護し、化学的あるいは電気化学的に起こる腐食を防止する目的で塗装が採用されています。
塗装は、塗料をスプレー、刷毛塗り、ローラーコートなどの方法によって対象物に塗布します。その後、塗料の主成分である合成樹脂は、重合等の化学反応により強固な塗膜が形成されます。強固な塗膜の形成には、120℃以上の加熱を必要とするものもありますが、鉄骨など大型構築物には自然硬化型の加熱を必要としない塗料が用いられます。
【表1】に、化学工場やめっき工場などで用いられている、防食用塗料の一般的な性質を示しました。
【表1】塗料の一般的性質
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※ | 注)◎優、○良、△可、×不可 |