【図1】は、ラック・ピニオンを利用したアンローダです。ラック・ピニオンは往復運動を回転運動に変えたり、その逆の動作をさせたりすることによく使われます。このアンローダのように、往復運動の方向を変換する機構としても使われます。
「ラックA」の上下運動を「ピニオンB」の回転運動に変換し、再度、「ラックC」の往復運動に変換しています(【図2】)。「ラックC」はピニオンを軸にして回転させることができますから、金型に合わせて傾斜を変えることが可能です。この点は都合のよい部分です。
ストロークの長さは、「ラックA」と「ラックC」は同じとなります。プレス機械のスライドの長さに影響されるわけで、ストロークの短いプレス機械では使いにくい場合があります。一つのピニオンを使うのではなく、径の違うピニオンを使うことで「ラックC」のストロークを変えることができます。この機構は金型に付けることは少なく、プレス機械に取り付けて使用する場合が多いようです。