外Rセッティング法:曲げ半径が2t以下に適します。
この方法は【図1】に示すように、曲げ部の外側を圧縮することで、スプリングバック対策をする方法です。曲げ内側のセッティングより、曲げ部の強度低下が少ない利点があります。
しかし、曲げ外側のRは材料の伸びに伴う板痩せによって、正確な半径をつかむことが難しい欠点もあります。90度曲げを想定して、45度付近の板痩せは5%〜30%位です。曲げの内側半径が小さい程減少率は大きくなります。通常は20%程度の板痩せを想定して、曲げの外Rを決めます。
通常の曲げでは減少率を見過ぎている方向です。曲がりすぎた形状から判断してセッティングRを小さくしていき、丁度よいRを求めます。初期のセッティングRが小さい場合には、調整でセッティングRを大きくしなければならず、処置が大変です。後で調整が見込まれる時には、調整作業が楽になるように部品設計をします。
【図1】にAで示す分割位置は、曲げ内側のR中心と同じにしてはいけません。外側のRは、内Rとは同軸ではないので少しずらします。
大きくずらしすぎると【図2】に示すような変形が、戻り行程で発生することがあります。フランジ高さを低めに設定しておくとよいでしょう。