絞りのパンチRとダイRは、小さいと割れの原因となり、大きすぎるとしわの原因となります。
パンチR、ダイRの決め方は、絞り工程数が決まった後になります。何回で絞るかの絞り工程はパンチ寸法で決めます。ダイ寸法はクリアランスを決めることで自動的に決まってきます。その後にパンチR、ダイRを決めます。
パンチRから決めていきます。決め方は最終工程から第1絞りに向かって決めていきます。
決め方を【図1】に示します。
- (1)は最終工程、(2)は最終工程の1つ前の工程
- (3)工程では、S寸法の1/3~1/4外にRの中心をずらすように設計します。
- (n)は第1絞りです。(3)から第1絞りの間の中間工程は(3)のRの決め方と同じ方法で決めます。
- 第1絞りのパンチRはパンチ直径(dn)の1/3以下、かつ絞り材料板厚の4倍~20倍の間にあることが必要です。
ダイRは第1絞りのパンチRを参考にして決めます。
第1絞りのダイRは第1絞りのパンチRと同じか、少し大きくします。Rの大きさはパンチR同様に材料板厚の4倍~20倍の間に入っていることが必要です。第2絞り以降は第1絞りのRより、少しずつ(0~30%位の間で)小さくしていきます。
パンチR、ダイRを決めた後に、相互の関係を確認する必要があります。その内容を【図2】に示します。